パーキンソン病の治療
私が大学を卒業し研修医になった約30年前、パーキンソン病の治療薬はほぼLdopa/DCIのみでした。今や色々な選択肢ができパーキンソン病の方の治療成績は大きく向上しました。ただ残念ながら進行期になると様々な問題が患者様やご家族の前に立ちはだかり、それについては有効な対処方法がないことも多くあります。
内服による治療以外に、貼り薬、注射薬、胃瘻から持続的に注入する方法があります。
それ以外には頭の中のある部位を電気刺激するDBSという方法もあります。
もうすぐ発売が見込まれているものは皮下からLdopa/DCIを持続注入するもので胃瘻による注入よりもより簡便に低容量のドパミン治療が可能になるものです。
令和5年7月下旬に発売となりましたが、クリニックでは導入はできないとのことで皆様には落胆させてしまいました。
ところがこの度済生会滋賀病院で導入が始まりました。
導入には2週間程度の入院、その後の薬剤調節などでの通院がございますが、その後当院でもフォローさせていただけることも可能となりました。
ヴィアレブ導入で何もかも解決できるわけではありませんが、侵襲が非常に少なく一度トライしてみる治療法としては画期的であると考えております。
今後通院中の方々にも良い適応になられるような患者様にはお一人お一人ご相談させて頂こうと考えております。
ドパミン関連薬物治療
Ldopa/DCI
ドパミンアゴニスト
MAO-B阻害剤
ゾニサミドなど
深部脳刺激法
両側の視床下核に上記のような電極を留置し電気刺激を行うもの。
パワー調節はリモコン操作で可能
一旦留置すると生涯抜去はしない。
デュオドパによる治療
胃から空腸にカテーテル先を留置しポンプでLdopa/DCIを持続で注入する不随意運動やwearing offなどの問題が生じにくい。メンテナンスが必要で介護者の協力必須。